京都の伝統工芸「金彩」ならtakenaka kinsai。OEMも承ります
〒616-8414 京都市右京区
嵯峨大覚寺門前八軒町20-12
075-871-4635
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作業風景
金彩は、着物に様々な金属箔や粉を接着加工する技術の総称です。
押箔、摺箔、盛り上げ、泥金描など様々な技法が複雑に絡み合い、一つの表現となります。
ここでは、一つの見本として金彩加工の「振り金砂子」技法 についてご紹介します。
金彩加工の「振り金砂子」技法を順を追ってご紹介していきます。
写真のような道具、素材を今回は主に使用します。左から「砂子筒」「さばき」「切り回し箔」です
金で装飾したい箇所にだけ「縁蓋(エンブタ)」をつくります。マスキング作業です。青い色のテープを着物地の上に貼ったあと、必要な箇所だけを小刀で切り取っています。生地を傷つけないように上部のテープをフリーハンドでカットします。(写真はすでに糊が置いてありますね・・・スミマセン。)
「縁蓋」をした生地の上に「型紙」を合わせ、糊をおきます。今回は、ろうけつ染めの風合いを再現した型紙を使用しています。
「駒ベラ」という道具を使って、糊を均一に広げます。
糊をおけました。青いテープを切り抜いた波の形をした箇所にだけ「ろうけつ」のひび割れたような柄で糊がおりています。糊のおりている箇所にだけ金が接着します。
次に「砂子筒」をつかって、「切り廻し箔」を細かく砕きながら、振っていきます。
「砂子筒」は竹筒に金網を張った道具です。竹は静電気の影響を受けず金箔を扱えるので、金彩職人には欠かせない素材です。金箔を摘まみ上げる「箔はし」もやはり竹製です。
「砂子筒」は、網の目の粗密、金の種類によって使い分けます。
(うちでは、100本程度を使い分けて使用しています。)
切り廻し箔。食パンで例えるなら"耳"に当たる部分。サンドイッチに使われている内側の四角く切り取られた部分が皆さんがご存知の金箔です。(写真は、あらかじめ箔粉として使用する目的で作られた切り回し箔。残りの部分ではありません。)
このように本金ではないカラフルな色箔も存在します。
「さばき」で余計な金をはらいます。糊の付いていない箇所の金を箒で掃くように、取り除いています。
柄が浮き上がってきました。
完成です。
写真では分かりにくいですが・・、ろうけつ風のディティールにこだわった表現になりました。振り金をすると、箔を枚葉の状態のまま、ペタッと接着するより柔らかい表情を作り出せます。(今回はさらにろうけつ染めの型紙で均一になるのを避けています。)このように、金の微妙な風合い、ニュアンスを引き出し、コントロールするのも金彩職人の仕事です。
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